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ご恩に報いる

 「桃栗三年、柿八年、柚子はスイスイ十三年、ビワのおお馬鹿恩知らず。」一般的に知識、知恵のないものを『馬鹿』といいますが、この歌から味わいますと、馬鹿とは恩を知らないものをいうのでしょう。桃や栗は三年で実がなる、柿は八年かかり、柚子は十三年かかれば実がなる。それに比べてビワの木は育てても育ててもいつ実がなるかわからない。育てがいのないのがビワの木ということです。

 育てられれば、それに報いていくことを恩というのです。恩という字は因(もと)の心、因を知る心でありましょう。今この私が存在しているのは誰のおかげか、いろいろなもの目に見えないものを含めて、この私を支えて下さっているということに気づいていくことが、恩を知るということになると思うのです。

 お寺でのご法座は亡くなられた方々を通して、仏様のみ教えに会っていくためのものであり、み教えに会うこと、そのことが亡くなっていかれた方々への恩に報いていくことになるのです。この私自身が、ビワの木にならないよう生きていきたいと思っております。

『聞法(1990(平成2)年7月16日発行)』(著者 : 佐々木 大観)より

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