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いのちの大切さを知る

 NHKの小学生向けのテレビドラマの中に、こんなお話がありました。

 給食の献立がカレーの日のことです。先生が一通の手紙を読みました。

「ぼくは、北海道に住む、君達と同じ小学生です。このじゃがいもは、ぼくの両親がいっしょうけんめいつくりました。ぼくも、しゅうかくの時には、お手伝いをします。ぼくたちのつくったじゃがいもを食べてくれてありがとう。」

 これは、給食センターに運ばれてくるじゃがいもの箱の中に入っていた手紙です。

 これをきっかけに、クラスの生徒たちで、このカレーの中には、どんな材料が入っていて、それは、どこでつくられたものかを調べることにしました。

 お米は秋田県、牛肉は熊本県、じゃがいもは北海道、にんじんは山梨県、玉ねぎは大分県、カレー粉は遠くインド…。

 何気なく食べていたカレーが、たくさんの人の手によって作られていたことに気づき、食べ物の大切さを知るというお話でした。

 では、私たち人間はどうでしょうか。一人で生まれて、一人で大きくなった人はいるでしょうか。あなたのお父さんとお母さん、おじいちゃんとおばあちゃん、そのまたひいおじいちゃんとひいおばあちゃんとたどっていくとたくさんの人の命の中から、たった一人のあなたが生まれてくるのです。そして生まれてからも、多くの人のお世話になって生きていきます。あなたの命もともだちの命も同じ大切な命です。

 近ごろ、いじめが悪質になり、ひどいときは、命を落とす事件まででています。

 どうか自分の命を大切にすると共に、ともだちの命も大切にできる子供になって下さい。

『聞法(1994(平成6)年8月1日発行)』(著者 : 西郷 教信)より

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