共に歩む道②
日常生活の中で感じたことを阿弥陀さまのお心を通して、話し合い、聞きあいのできるお念仏の道。ということでお話しさせていただきます。
お寺参りをされた方に対して、お寺でどのような話しがあったかをアンケートにまとめると、それぞれの人が自分に関心のあることや、都合の良い部分だけを聞いておられることに気付きます。
今から500年余り前、本願寺八代目の蓮如様は『平座』ということを大切にされました。それは、「膝と膝をつき合わせ、車の輪のように丸く座り、共にひとつの話しを語り合うことで、ひとつのことであっても別の角度からものを考えたり、自分自身の間違いに気付かせていただけるから」と言うのです。現代社会では、他人のことだけでなく、自分のことに対しても無関心の人がおられます。
話は変わりますが、先日素晴らしい考え方のお寺さんに出会いました。そこのお寺の離れが70年ほど経ち、建て替えることになったそうです。しかし全面的に取り壊すのではなく、使える柱を残し、新たに囲炉裏を作り、誰もが輪になって話のできる古くて新しいタイプの平座を目指しておられるのです。
私たちも共に、日常生活の中で感じたことを阿弥陀さまのお心を通して話し合い、聞きあいのできるお念仏の道、を歩んで行きたいものです。
南無阿弥陀仏
『北御堂テレホン法話 2007年9月より』