法語を味わう(2)
郷(さと)に帰ると
親がいるのではない
親がいるところが
郷(さと)である
母も連れ合いも、郷に帰るときは嬉しそうにしております。帰ると自分の母がいるからです。しかし、親が亡くなると同じ気持ちで郷へ帰ることができるでしょうか。
「親は『おかえり』と、私を待っていてくれた。親がいなくなると、『いらっしゃい』と私は迎えられる。そこは郷ではあるけれども、本当の郷ではなくなった。」とおっしゃった方がおられました。
本当の郷とは、心から安心できる場所ではないでしょうか。親が私を待ってくれている場所。お浄土に行けば阿弥陀さまがいらっしゃるのではなく、今のこの私を救おうとはたらいてくださる阿弥陀さまのましますところが、お浄土であると味わわせていただきます。
(本願寺派布教使 高岡教区 青木 哲隆)