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法語を味わう(15)

「歳はとりたくない
 しかし
 長生きはしたい
 この虫のよい私

親鸞聖人(しんらんしょうにん)は、『正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)』に、「貪愛瞋憎之雲霧(とんないしんぞうしうんむ) 常覆)真実信心天(じょうふしんじつしんじんてん)」とお示(しめ)しです。

貪愛(とんあい)というむさぼり、瞋憎(しんぞう)といういかりは、雲(くも)や霧(きり)のように常(つね)に私(わたし)を覆(おお)っています。都合(つごう)のいいことなら手(て)に入れたい、都合(つごう)の悪(わる)いことならあっちにいけ。しかし、どれだけ欲(よく)を満(み)たし、邪魔(じゃま)ものを排除(はいじょ)しても、次(つぎ)から次(つぎ)へと満(み)たされない心(こころ)が生(う)まれます。同(おな)じところをグルグル回(まわ)っているだけで、新(あたら)しい生(い)き方(かた)が生(う)まれないことに気(き)づかない迷(まよ)いの私(わたし)だからこそ、阿弥陀(あみだ)さまのお慈悲(じひ)は、この世(よ)の迷(まよ)いを超(こ)えた生(い)き方(かた)をお勧(すす)めくださいます。

(本願寺派布教使 本多 靜芳(ほんだ しずよし))

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