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法語を味わう(16)

ものを見るとき
 価値を見る
そこに意味を
 見る世界が加わる

人間(にんげん)のものの見方(みかた)には二(ふた)つあります。
一(ひと)つには値段(ねだん)や品数(しなかず)、味(あじ)や食(た)べやすさ、満腹感(まんぷくかん)など、価値(かち)を計算(けいさん)する見方(みかた)です。
二(ふた)つには、その中(なか)にある意味(いみ)を感(かん)じ取(と)る世界(せかい)の見方(みかた)です。ご飯(はん)に敬語(けいご)を使(つか)っていただくという意味(いみ)や、多(おお)くの食材(しょくざい)の「いのち」とたくさんの人(ひと)の味付(あじつ)けと手間(てま)など、そこに思(おも)いを馳(は)せる意味(いみ)を知(し)らされる世界(せかい)です。
そのことを知(し)らされると、お金(かね)では計算(けいさん)できない物(もの)を大切(たいせつ)にする心(こころ)、「いただきます」と「ごちそうさま」、そして「ありがとう」という世界(せかい)が広(ひろ)がります。

(本願寺派布教使 井上 博雄(いのうえ はくゆう))

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