法語を味わう(36)
2021年1月
本当の賢さとは
自分の愚かさを
きちんと理解することです
仏さまの教えを学んで知識を身につけ、賢くなったり、行いを正したりしていくことは大切な一面ですが、それと同時に、学べば学ぶほど自身のどうしようもない愚かな姿に気付かされることも確かではないでしょうか。自身の中身(心の有り様、欲望、自己中心性など)を深く問い、赤裸々なありのままの姿に気付かされる時、賢いどころか、いかに愚かであるかということに驚かされます。自身を正面から見つめ、深く問うことを抜きにして仏法の学びは成り立たないと言えます。自分自身のありのままの姿に正面から向き合って問うことが、知識や教養程度ではなく、本当の賢さ(智慧)であるといただきます。
(本願寺派布教使 井上 慶真)