法語を味わう(42)
2021年7月
だから
私にとって
毎日が
死の稽古だ(水上 勉)
2004年に亡くなった作家の水上勉さんは晩年、心臓の3分の2ほどが壊死したままの身で画家としても活動されました。
両親の縁によって生をいただいたわが身が息を吸うことを覚えて、吐いたり吸うたりして生きているわけだが、そのどっちか止めてみると死んでしまう。
幼い頃の禅僧体験や晩年の体験から、わが身は生死一体と受け止め、生存のみへの執着から解放された表現といえるのではないでしょうか。
死の稽古からさらに、私の生死の問題の解決を仏教は教えています。
(本願寺派布教使 鷲尾 衛鳳)