法語を味わう(48)
2022年1月
生も一度きり
死も一度きり
一度きりの人生だから
一年草のように
独自の花を咲かせよう (坂村真民)
新しい年を迎え、期待や不安に満ちた新たな日々が始まりました。
人生は何事も自分の思い通りになればよいのですがなかなかそのようにはいかないようです。
自分の思い通りになれば機嫌がよくなったり、そうならなければ愚痴をこぼしたり、過去を後悔したり、未来を不安に思ったりしながら、様々な迷いや苦しみの中に生きています。
こうした私たち凡夫を救いの「めあて」として休むことなく寄り添い、はたらき続けてくださるのが阿弥陀如来さまです。
『仏説阿弥陀経』に説かれる「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」という言葉は「一度きりの人生を自分の個性を最大限に生かし、自分らしく力強く歩んでくれよ」という阿弥陀如来の願いであり、メッセージであります。
仏教詩人 坂村真民さんは「咲くも無心 散るも無心 花は嘆かず 今を生きる」という詩も残されています。
不平不満の人生を歩むのではなく不平不満も言わずに自らが散ってゆく時も悲しむことなく一生懸命に咲いている花や草の「いのち」。
こうした生き様、死に様に思いを馳せ、自分の姿を今いちどふり返り尊いご縁を大切にしながら本年も精一杯歩ませていただきましょう。