法語を味わう
2023年3月
たった一言が
居場所となり
たった一言が
居場所を奪う
「そんなこともできなくなったの」靴下をなかなかはくことのできない母にかけてしまった言葉です。 一生懸命になっていた母の手は止まってしまいました。はっとして「手伝おうか」と声をかけると、「うん」と頷きました。ただ、その顔に浮かべていたのはとても寂しげな笑みでした。 南無阿弥陀仏は決して居場所を奪わず、どんな時も私の居場所となってくださる如来さまです。それほど深いお慈悲の如来さまを聞かせて頂いているのに・・・・。 すっかり細くなったその足に靴下をはかせながら『ごめん、おかあちゃん・・辛い言葉を聞かせてしまって』心の内で詫びました・・。 ナモアミダブツ。ナモアミダブツ・・お念仏の限りない温もりは、私のいたらなさも気づかせてくださるように思います。(本願寺派布教使 花岡静人)